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1.産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき
① 提出先 管轄の年金事務所(事務センター)
②提出期限 産前産後休業期間中
③添付書類 原則として無し
2.ストーリー
① 人事花子さんが妊娠し、産前産後休業を取得することになりました。
② 出産予定日は、令和8年8月20日、休業開始日は、令和8年7月10日
出産に関わる大まかな流れ

出産にかかわる手続きは複雑ですので、初めに手続きの大まかな流れをご説明いたします。
1.出産予定日を基準に産前6週間
2.出産日を基準に産後8週間となります。
(出産日は、産前に入ります。)
→その間の給与の代わりとして受給することができるのが、「出産手当金」で給与の約2/3を受給することができます。
→産前産後休業取得者申出書を提出することにより、産前産後休業期間中の(健康保険・厚生年金保険の)保険料は免除されます。
3.産後休暇終了後、育児休業の開始時に提出するのが、「育児休業取得者申出書」でこの届け出をすることによって育児休業期間中、(会社負担も併せて)社会保険料が免除になります。
4.子が1歳に達するまで給与の代わりとして受給できるのが「育児休業給付金」で給与の約1/2(育児休業の開始から6か月間は67%)を受給することができます。
記入例に沿って解説します

産前産後休業取得者申出書の記入例にそって、解説していきます。
「提出者記入欄」
①【事業所整理記号】01-イロハ
「事業所整理記号」が分からない場合は、年金事務所から送付される「納入告知書」などで確認できます。
②「事業所所在地」「事業所名称」「事業主氏名」「電話番号」を記入していきます。
・〒231-0006 神奈川県横浜市中区南仲通3-32-1みなとファンタジアビル3階B室
・H&M綜合事務所株式会社 代表取締役平川将 ・045-641-6500
令和2年12月25日より年金手続きの押印が原則廃止されました。この申出書についても、押印は不要です。
「共通記載欄」
①に、被保険者整理番号を記載します。入社時に、資格取得届を提出したときに、割り振られる番号です。
従業員さんの保険証にも記載されています。10
②に、従業員さんの「個人番号」を記入します。456789098765
③に、従業員さんの「氏名」を記入します。総務花子
④に、従業員さんの「生年月日」を記入します。元号は、昭和は、「5」、平成は、「7」に○振りします。
7-111030
⑤に、出産予定年月日を記入します。この例では、令和8年8月20日となります。
⑥に、出産種別を記入します。出産予定の子供が、1人であれば、「0、単胎(たんたい)」に〇振りします。
出産予定の子供が、2人(双子)以上の場合は、「1、多胎(たたい)」に〇振りします。
⑦に、産前産後休業開始年月日を記入します。出産予定日は、産前となりますので、産前42日を逆算して、
7月10日としております。7月が、22日、8月が20日の計算です。
⑧に、産前産後終了予定年月日を記入します。
産後休業の開始日は、出産予定日の翌日(つまり、8月21日)となります。
8月21日から、産後56日を計算すると、終了予定年月日が、10月15日となります。
8月が、11日、9月が、30日、10月が、15日の計算です。
今回の申出書は、出産前の7月10日に提出することを想定しておりますので、
⑨~⑩の記入は、不要です。
出産後に提出する場合は、⑨~⑩も記入が必要です。
以上で、「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」の書類が完成しました。

最後に、申出書の下の欄に記入している部分を解説いたします。
〇産前産後休業期間とは、出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)~出産日後56日の間に、妊娠または出産を理由として労務に従事しない期間のことです。
→産前休業については、出産する予定の従業員さんが休業を請求した場合においては、その方を働かせることができないことになっております。
逆に言えば、ご本人が、働くことを希望するときは、会社は、就業させることが可能です。この場合は、産前休業について社会保険の免除は受けられません。
ちなみに産後休業については、従業員さんが希望しても、会社は、就業させることはできません。
〇 この申出書を出産予定日より前に提出された場合で、実際の出産日が予定日と異なった場合は、再度『産前産後休業取得者変更届』(当届書の「共通記載欄」と「A.変更」欄に記入)を提出してください。休業期間の基準日である出産年月日がずれることで、開始・終了年月日が変更になります。
→この部分については、別の動画で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
〇産前産後休業取得申出時に記載した終了予定年月日より早く産休を終了した場合は、『産前産後休業終了届』(当届書の「共通記載欄」と「B.終了」欄に記入)を提出してください。
→この場合は、「B、終了」記載欄に、産前産後休業終了年月日を記載して、提出します。共通記載欄については、前回提出時の記載と同様です。
〇保険料が免除となるのは、産前産後休業開始日の属する月分から、終了日翌日の属する月の前月分までとなります。
→今回の解説に当てはまると、産前産後休業開始日(7月10日)の属する月分 すなわち、7月分から終了日翌日(10月15日の翌日、10月16日)の属する月の前月分 すなわち、9月分が社会保険料の免除期間となります。
以上で、「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」の書類は完成です。
このブログが皆様の書類作成の参考になれば嬉しいです。